キングオブコント2011

楽しみにしていた決勝本番。ひとりで観るのさみしいな〜と思ってたら、風松トークからお友だちが家に来てくれて、一緒にワーキャー言いながら観賞しました。なので例年より集中して楽しく観ることができました。普段ライブで観ている子たちが3組も出てるしね!
もともと誰が優勝してもいいやと思ってたし、正直トップリードが2本目披露したあとの清々しい表情を見たら、もう結果はどうでもよくなってしまって、去年以上に賞レース番組としてのワクワク感は皆無でした。点数の妥当性とか全然分かんなかったなあ。
審査員席で上段端コンビが浜ちゃんにいじられると解散するジンクスを受けて、まさかのアルピにスポットが当たったり、ファイナリスト決定の映像でロバートが呼ばれているところで、ずっと死んだ目をしてた阿諏訪氏とか(相方はニコニコで拍手してるのに…)、面白い見どころもたくさんありました(笑)。


めずらしく各コンビの感想など。好き勝手書いてます。

トップリード

普段のライブとなんら変わりなく、元気にミスもなくやり切っていて拍手。あ、和賀氏がパイプ椅子で着地に失敗というハプニングはありましたが(笑←全然笑える)。逆にそのいつも通りだったのが、あのギラギラしたセットの前では彼らの良さが伝わり切らなかったのかなあと思います。
2本目の「先行く男」は大好きですが、初見ではあの伏線の巧妙さが味わいにくいとも思うんですよね。あと全体的に和賀氏の早口が少々気になりました。「タクシードライバー」の電話受けるところとか特に。火曜のダイナマイトショーからあれくらい早かったので、緊張もあるしネタを詰めているせいもあったのだろうけど。2本とも、終始新妻氏が忙しく、和賀氏が緩ませる場面の少ない、同タイプのネタだったので、得点もほぼ同じだったのが残念だったかなあ。毛色の違うネタやって、その評価も見てみたかった。
紹介のVTRで、「ハートフルで、ドラマチックで、スリリングな…」「詰め込みすぎだよ(笑)」というやりとりがありましたが、その通りだと思いました。でもそのネタがやりたかったんですものね。それでいいんだよ。
しかしあらためて、トップリードのコントのこじんまり感、手作り感たるや!効果音も自分で言っちゃうよ。浜ちゃんにどつかれてガッツポーズした新妻氏、かわいかったー。

TKO

トップリとの落差に笑ってしまった。音響も照明も小道具もたくさんですごくテレビっぽかった。2本目のほうは木下氏のキャラもいいしポーランドのくだりが急激にくだらなくて楽しかったけど、1本目はマジックを振り返るという作りがボケの羅列だし、実際に刺したなどのくだりでちょっと引いてしまい、あんまり楽しめず…。審査員側も期待外れと思ってあの点数だったのでは…
余談ですが、事前番組からアラフォーでがんばってる的な映像で推されてたけど、不惑でジョギングしてそのあとシャドーボクシングしてる清和氏を昼間観てるからなー、全然応援できないw

ロバート

1本目は構成が本当に上手だなあと惚れ惚れさせられたのですが、さすがにあの点数は高すぎて…。2組見たあとで、急に審査員の気持ちがハネた結果なのでしょうか。確かにそれくらい、感心できるコントだったと思うけど。秋山氏がやたら推していた「接しやすい」のテンドンは全然ハマらなかったのですがw(忍者芝居の設定だから「拙者」って聞こえてた…)。
2本目のほうは、あんまり観たことないけど、これぞロバートなんだなーという印象。山本氏のツッコミっていうか発言が「すげえ!」ばかりだったのがもうがっかりで…必要あるの?ああいうキャラクターを笑いの対象するのも苦手。可笑しいと思ってやってんだもんなー。

ラブレターズ

1本目は緊張のためなのか声がカチコチだったけど、それでも思いっきりやってて、やっぱりあのネタはすごいなー!「フゥー!」じゃねえよ!と毎度思ってしまう(笑)。1本目の緊張感を考えると、あれを先にやらずにはいられないかも…。ラブレも、2本目後は清々しい顔してましたねえ。追試のネタはオチが改編されていて、失速感は否めなかったですが、ラブレの妙なかわいらしさが伝わって良かったなあと思います。溜口氏の「コボちゃん…っ」の言い方にいつもハマっちゃう。
ラブレ、テレビでも映えてたなあ。一生懸命さが動きに出てるから?ももクロ的パワー?ダウンタウンとの絡みもかわいらしくてねえ。若手の初進出だからこそですね。

2700

彼らをときどきライブで観るようになって思うのは、ツネ氏が八十島氏の手のひらの上で踊ることに徹底しているのがいいのかなあと。事前番組でも、ネタ作らず身体作れと言われてたみたいだし(笑)。初年時とやっていることは変わってないんだけど、存分に面白がってもらえるフィールドを得た感じ。芸人好かれているという点も強調されていましたし。
2本目のキリンスマッシュはもう何が何だか。あれが準決勝で通ったネタなのだから、彼らもすごいけど審査もすごいよ。生で、数十組のなかのひとつとして観ていたらもっとハマっただろうなと思います。象の八十島氏が腕まくりしたときに、腕も灰色にしていたのになんだか悪寒が走りました。これはこういう世界のギャンブルなんだなあ怖いなあと。

モンスターエンジン

1本目のミスターメタリックのコントも準決勝で通ったネタだそうで、顔出してないコンビが2組選ばれたってことなのねえ。youtubeの動画設定だというのがまずすごいなあと思うし、相変わらず西森氏の発想は斬新で、あとやっぱりどこか暴力的で破壊衝動にかられているなあとwメタリックのフレーズは楽しかった(ステッキが外身を外した傘だったのもw)のですが、自転車で出てきたときに次の明転時にそのまま置きっぱなしだったのがちょっと気になってしまった。
2本目はさほど…だったのですが。西森氏演じる厳しい先輩のお手本も、ハマらないとしんどい…大林氏がキレるところで終わるのも、本当に好き勝手やっているなという感じでした(←もうこの辺から点数どうでもよくなっている)。

鬼ヶ島

みんな大好き鬼ヶ島。人力舎3連覇の看板をそんなに背負わされていたのか…と、テレビ的な話題の取り上げ方にしみじみしてしまいました。それ以上にライブシーンの期待をずっしり背負って出ていった感じではありましたが。噛まなければ大丈夫だとファン内から散々言われていたけれど、私はむしろ噛むなりなんなりしてぐちゃぐちゃにしちゃえば良かったんじゃないのとか思ってしまった…。1本目はもっと救いようのないオチを知っているので、最後に野田氏が「バイバイ!」と言って終わるというのは、ファンタジー感が増して良かったかしらと。大川原先生の恐怖は減になっちゃいますが。2本目のナイトオブファイアは、もう踊りだしたときのカメラワークに脱力してしまった〜。あと「転校生」かぶりで会場がウケたのが可笑しかった。そうだもん、「だいたい転校生」なんだもん。
正直鬼ヶ島を凌駕する頭おかしいコントがいっぱいでね、そういう狂ってる感では、勝ててなかったなあと思った。すごくいい子ちゃんに見えちゃった。あの鬼ヶ島が!!だから、もっと恐ろしいネタも来年はがっつりかけてくれたらいいなあと思いました。誰か死ぬとかね!それで売れるというビジョンはまるきり見えませんけれど…。

インパルス

板倉氏が元のキャラから豹変したり手のひらを返したりすることに、笑いどころがあるのでしょうが、どうしてもいつも唐突な感じが否めずハマれないことが多い…。特に2本目は、堤下氏(二階堂くん)がどうして工場に入りたがっているのかという違和感がぬぐえないままだったし。板倉氏が自分の振る舞いにばかり笑いのポイントを置いていた気がしたなあ。もっと堤下氏を生かしていた気がするのですが。
それでも、お見事なコントでしたし、点数だって例年からしたら十分高いんだと思います。それでも、彼らのようないわゆる正統派が響かなかったのは、もうこの番組の今年の色に左右されたとしか思えません。


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そんな感じで、ロバートがあの点数をたたき出した段階で、よっぽどのことがない限り逃げ切るだろうなあと思ったし、やはり最後にネタをやる人は強いですよね…。全体的に、世界観のインパクトでいかに圧倒できるかで審査員ウケが決まってた印象。そういう、唯一無二な感じが芸人ウケするのかなあ…。
あんな内容のネタ番組、普通じゃ絶対観られないだろうし、貴重な時間だったなあ。特別嬉しいことがあったわけじゃないけど、むうーってなることもなく、見終えました。清和氏が昼間に言っていた「ライブシーンに波風立たない」人が優勝して、今年一年も平穏無事に東京のライブシーンは進んでいくのだろうなと思います。ただ波風が立った前例もないですからね、どこかに風穴が開くべきなんだろうねえ。