トップリード単独ライブ「THREE DECKER」@新宿SPACE107

3回目の単独ライブは英語表記。新幹線のホームの地面に書かれている「2階建て車両:Double decker」を見ながら、3階建てならthreeではなくtripleじゃないのかな、どういう意味なのかなと考えておりました。
彼らの単独ライブという作品を1回目から(しかも全公演)見ることができていて、それはとんでもなく幸運なことなんだろう。それだけに彼らの単独ライブほど、何度も見たい、多くの人に見て欲しい、これが何も形として発信されないまま終わってしまうなんて勿体ないと感じる作品はないと思う。丁寧で、おもしろくて、あったかくて、やりたいことが詰め込まれていて、何よりそれを見せようとしているふたりがとても楽しんでいる、そのエネルギーすべてがあの空間を作り出しているということが、素敵でたまらない。

1回目の「イッピキムスメ」は、なんてかわいい作品だろうと思った。大切で、手塩にかけた、記念すべき一番最初のもの。胸がいっぱいになって、愛さずにはいられなかった。「二日坊主」は、やんちゃで、なんて真っ直ぐなのだろうと思った。真っ直ぐすぎる想いは時に胸を苦しくさせるし、危ういけれど、彼らのそれは惜しみなくて強かった。見守られずにはいられないと思った。
そして今回の「THREE DECKER」は、とても「やさしい」のだと思った。彼らが織り成す世界は優しさに満ちていました。見えないけれど何かと何かを通じて誰かと繋がっていたり、無意味だと思える自分の行為が知らない誰かを支えたり、そういう優しさの存在は、なくてもいいけど、救いになる。誰かの怒りすら、誰かを笑わせている。世界はそういうものなのだと、捨てたものじゃないのだと拍手を送ってしまうような、あの作品を観客として観たあとに得られた不思議な多幸感はきっとそれなんじゃないかな。やわらかなものに満ちた3部作の締めくくりを見れて、嬉しくて幸せで、とても大切にしたいのです。