「月に囚われた男」


恵比寿ガーデンシネマにて。原題は「MOON」なのですね。観てから思うと、この邦題はある意味ずいぶんとストレートというか…。
製作費がすごく安かったと聞きましたが、確かにお金かかってなさそう!月が舞台だというのに、いわゆるSF映画っぽいCGはほとんどなくて、月燃料を地球に飛ばすときとラストのシーンくらい。全体的に懐かしいような泥くさい印象でした。動きにくそうな宇宙服とか、ゴツゴツした通信機器とか、灰色一色の月面とか。でも宇宙とか月とかがもう身近になっている時代だけに、SFドラマとはかくありきという作品だったようにも思います。どうでもいいけどルナ産業は韓国の会社とかそういうことなの?唐突に現れるハングルがちらほら。

出会ったふたりのサムの描写やエンディングへの流れは、無駄もなくとても丁寧だなあと思いました。話のタネであるところは思ったより早く明かされるのだけど、それはサムの孤独を助長するエッセンスに過ぎないのかもしれない。とにかくサム・ロックウェルが好演すぎました。最初の奥さんからのメッセージビデオを見ているときの表情にきゅんきゅんしたよ。ダーティもイイやつで良かった!エンディングも後味悪くなかったし。