最近読んだ本・藤野千夜

彼女の部屋

彼女の部屋

おしゃべり怪談

おしゃべり怪談

淡々と続く日常の風景や感情の流れの描写が、たまらなくいとおしくなってくる。真似したくなってしまう。彼女の部屋の1話目で、ひとの日記を読み終わったみたいにあっさり読了して、ああこういう短編集なのねと気づきました。どんでん返しどころか事件も起こらないけど、確かに心をひっかかれるような、ざらざらしたもので撫でられてるような印象を残す文章ですねえ。おしゃべり怪談のほうはそのどろっとした部分を強調した感じ。表題作は後味も悪いけど、「ラブリープラネット」は痛々しくて切なくてそれが良かった。あと「女生徒の友」もやっぱり好きだなー。まさか、日常の描写→太宰スピリット→ミドリカワみたいな公式で、この作風にひっかかってるのかな私。
既刊が多いのでもっと読もうと思ってるけど、図書館にはちょっとしか入ってないみたい…。