「ネジと紙幣」@富山オーバードホール

作・演出:倉持裕
出演:森山未來 ともさかりえ 長谷川朝晴 江口のりこ 細見大輔 野間口徹 満島ひかり 小林高鹿 田口浩正 根岸季衣 ほか

ハセさんが豪華メンバーとお芝居!なんと富山公演があるということで、高校時代、ともにジョビにワーキャーしていた友人と行くことしました。銀河劇場にひとりで観に行くよりずっと楽しかったです。いろいろ思うところはあるけど、観終わったあとにアレコレ語り合えてこそ観劇だと思うので、そんな意味でも富山に帰ってよかったなと(笑)。ただ会場がでかいので、泥沼なお話だけに人によっては大声を出されると何を言っているのか全然聴き取れないこともあったり…。NHKあたりで放送してくれないかなー。

以下ネタばれを含むのでたたみます。
ストーリーは後味の悪い暗闇な終わり方でした。カーテンコールの音楽まで暗い…。みんなが隠している暗さとか裏の感情を持っていて、それが見え隠れするたび、見ていて苦しかったですねえ。倉持氏が述べている「どんな状況に置かれようと単色に染まりきらない人間の感情、そうしたマダラ模様の感情を操って生きていかなくてはならない人間というやつ」がしっかり描かれていたと思います。最終的に「なぜ男は女を殺さなくてはならなかったのか」という疑問は、解けるような解けないような、その曖昧模糊な感じがこの物語の結論なのかも。殺人の引き金がほんの小さい出来事で、洗濯物が汚れていく演出と合わせてとても怖かった…あの仕組みはどうなってんだろう。
ハセさんは、相変わらず腹黒くてチャラい役がとてもハマっていてとても素敵でした。後半で行人にキレたところではゾクっとしてしまったよ…恫喝されている行ちゃんも委縮しちゃってたし。確かにこの事態は行人が200%悪いだろうけど、火に油を注ぎ続けたのは赤地なわけで…。あの終焉のあと、赤地がどう思い振る舞ったのか想像するのも楽しいかもしれません(そんなのは私だけ)。
笑うポイントもちょいちょい入ってて、特に第1幕はドリフみたいでした。小屋が壊れたりハセさんがずるずる落っこちたり。第2幕はみんな投げたり投げ飛ばされたりと、役者さんが心配になってしまったよ。ともさかさん、あんな細い身体で大丈夫なんでしょうか…びっくりしたよあのお人形みたいな風貌。