今邑彩を読んだ

鬼

いつもの朝に

いつもの朝に

先日の「世にも」で久しぶりに「よもつひらさか」を読んで、他のも読みたくなったので図書館で借りてきました。「よもつ〜」は話の流れが読めてしまうものが多いのですが、同じ短編集でも「鬼」は、世界観もあるし読後も後味が悪いものも少なくて好きです。
「いつもの朝に」は、会話(というか人物の説明セリフ)が多くて読みやすいのだけど、後半の兄と弟の問答にイライラしました。このお兄ちゃんが、あることを自分の汚点として捉えたばっかりにうだうだといつまでも言ってるんですが、いいかげんにせいと引っ叩きたくなったよ。最後にはお母さんが言いたいことを全部言ってくれて、すっきりさせてくれるのですけど。後半、このお母さんが自分や子どもやその父親について語ってくれているおかげで、その後の兄弟、母子のやりとりが、無駄に移入することなく読めたのが良かったです。