おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん・双」@全労済ホールスペース・ゼロ

24日のソワレを観てきました。

出演：唐橋充／藤原祐規／愛原実花／松本寛也／岡田あがさ／松本祐一／古谷大和／足立英昭／石田隼／田代哲哉／福井将太／加藤良輔／米原幸佑
スタッフ：脚本・演出：川尻恵太（SUGARBOY)／ 原作： しりあがり寿

去年の1月に初演があって、「よく分かんなかったけどなんか楽しかった」と、大変新春らしい気持ちになったやじきたですが、まさかの続編。加藤米原がなにしてくれるのかも楽しみでしたが、まあ予想をはるか上回るカオスっぷりで、やっぱりよく分かんなかったんだけど、じゃあ演劇や作品というものが「分かる」ってなんなんだ？という気持ちになり、そういうのもなんか楽しくなってくるんだよね。
パンフのなかで川尻氏が、「初演と「おんてぃーびー」を経て強く確信したことは、この物語は結局弥次喜多が並んで立っていなければ成立しないお話だということ」と言っていて、観終わったあとにそれを読んですごく納得した。初演は、理不尽で不可思議ないろいろな理由で離ればなれになってしまう弥次喜多がメインだったけど、今回のふたりの最大の危機は弥次さんの軽率な発言に自分自身への自信を失って喜多さんが逃げちゃうってところだったし（そして失われた弥次さんの童貞が励ましてくれる）、結局このふたりが痴話喧嘩してるのがとてもかわいいんだよな〜、それで良いな〜って思ったのでした。色気があって声も良くて情緒が常にあやうい喜多さんに振り回される美人でおろおろしてる弥次おじさんとてもかわいいんですよ。役だとあんな感じだけど、素の中の人になるとゆるふわな唐橋氏を3歩引いたあたりで介護してるふっきーの奥ゆかしさがまた良い（笑）。
加藤くんは晩餐会での義眼の男が、本当に役者ポテンシャルのえげつなさを発揮していて、好き…と思った。さらっと見せてくるからこちらもさらっと受け止めてしまうけれど、軽薄でへらへらした感じから、勝手に追い詰められて死にたくねえよおって気が触れていって舞台上で頭抱える様とかなかなかできるもんじゃなくない？義眼の男、着物の柄も洒落ててとても良かった…。

来年続編もやるしね〜「三重」って東海道的に進んだってことなのかと思ったけど、3回目ってことですね。おススメするポイントが何一つ言語化できないけど、機会があったらぜひ多くの人に観てほしい。分からないことを分かってほしい（笑）。