「私の中のあなた」


日本公開が決まる前からかなり気になってはいたものの、いつものごとく映画館には行かないでいたら、件の非常勤の男性*1に、「観たほうがいいですよ!観たら語り合いましょう!」とまで言われてしまったので、今週で終了のところを滑り込み。吉祥寺スカラ座にて。

以下ネタばれを少し。

泣けますと言われて覚悟はしてたものの、ガッツリ泣いてきてしまいました…。みんながみんな家族としての思いを抱えていて、誰が正しいとかの答えもなく、それがすごく苦しかったです。特に子どもたちが子どもなりに(親を持つ子という意味で)考えて、思いつめたりする姿を観るのはやっぱり悲しい…。主役の姉妹はもちろんですが、長男のジェシーにもすごくグっときた。渦中にいながらどうすることもできない(しかもLD)お兄ちゃんの立場は本当につらいと思う。
アナが両親を告訴した理由は、結構前半で読めました。ああやっぱりなという感じ。姉の治療のために生まれてきたアナはかわいそうなのか、サラがしていることはひどいことなのか、裁判でははっきりさせようとしてたけど、そんな白黒つけられる問題じゃないことはみんな分かってるよ…。アナがケイトの妹でなかったら、提案には応えられなかったと思う。家族だから、ああいうことになってしまうんだよねえ。
とにかくアビゲイル・ブレスリンがすごかった。あの年頃の女の子の複雑さとか、末っこなりにいろいろ学んでいる感じとかが、キラキラした表情に表れててとてもキュートでした。そしてケイト役のソフィア・バジリーバも美しかったです。ラストの、みんなでピザを食べるところ、大人の声かけにあんな笑顔を見せれるなんて、女神のようだったよ・・・
この作品を知ったのがショウビズカウントダウンだったのだけど、その紹介映像が、「ビーチに行きたい」というケイトを連れたパパとジェシーとアナが家に戻ったところをサラが猛反対するシーンでした。なので、すごく逼迫した、重々しい作品なのかなと思ったのだけど、その後すぐに幸せな家族が描かれていて、それにすごく救われたし、そして切なかったです。

*1:誕生日にチロルを1ダースでくれたりする、超好青年。既婚。