「伊藤若冲 アナザーワールド」@千葉市美術館

伊藤若冲(1716-1800)のブームが継続中です。京都国立博物館での「没後200年 若冲展」展で、一般にも広くその名を知られる存在となり、その後も展覧会の開催、画集の刊行が続いています。もはや一過性のブームではなく日本絵画の大スターとしての地位を確立したようです。
動植綵絵》(宮内庁三の丸尚蔵館)のような華麗な着色の作品だけが若冲の世界ではありません。若冲は晩年にいたるまで多くの水墨の作品を残しました。もしかしたら水墨画のほうが若冲の個性であるかたちの面白さは際立つかもしれません。

というわけで「アナザーワールド」とのこと。4年前に京都国立近代美術館にて、プライスコレクションを観ていましたが、そのときも着色がより水墨画に魅せられた記憶があります。渋くて幻想的な空間にうっとりしてきました。若冲水墨画は、やっぱり筆に迷いがなさすぎるところがいい。紙の上で踊ってるみたい。あと動物に対する愛情溢れた描写も好きです。ユーモラスでかわいいのばっかり。「烏賊図」が良かった。個人的には二枚対比の「寒山拾得図」がすっごく好きだったなあ。絵ハガキがあれば良かったのに…
「樹花鳥獣図屏風」は京都で観たときもびっくりしたけど、今日もやっぱりびっくりした。大規模なドット絵、圧倒されるよ…。