ゆず15周年感謝祭ドーム公演「YUZU YOU」〜二人で、どうむありがとう&みんなで、どうむありがとう〜

1日目はふたりだけの、2日目はサポートと一緒に。11年前になる、5周年の東京ドーム公演のときは、まだ足を運べるようなファンではなく(地元に住んでたこととか、ライブに行くことのハードルの高さとか)、BSで放送された映像を母と見ていました。黄色に点々が描かれたゆずのステージを見て、母が「これは、チーズ?」と言っていたのを毎回思い出して笑ってしまいます。
数年前のツアーから、彼らのライブで与えてくれるのは誠実さと安心感だと信じている。ライブの最後の「またあおう」を絶対だと信じさせてくれる、そんな安心を与えてくれる存在に出会えることは、もはや奇跡に近いことなのだと、人生の半分彼らを見続けて実感するようになりました。15年の間に、ずっと同じ気持ち、同じ距離感をだったわけではないけれど、きっとこれからも一緒に年を取っていくのだろうなと思わせてくれるふたりです。きっとおじいちゃんになっても、大声で「てっぺん」を歌っていて、それを私は見届けていられるのだろうなって。15周年だから、15周年だけど、いつも通りにたくさんのお礼を述べてくれて、1日目に「明日は来れないって人?」と聞いて、当たり前のように「また、ライブやるから」とへろへろの優しい笑顔で言ってくれた北川さん。休むことなく走りつづけていた15年間、彼らは変わるものもあれば変わらないものもあるんだと歌い続け、それをずっと体現してくれていた。それが嘘にならないこと、まさに変わらないでいることが、うれしい。
彼らのすごいところは、ひとりじゃできないけどふたりならなんでもできるのだということを認め、おしまず強さに変えているところだと思う。ふたりでならショーみたいなライブもできれば、手に抱えられる楽器だけで歌うこともできる。その強さは、愛さずにいられない安心感です。

2日目の今日、北川さんが、路上時代ふたりだけで歌い始め、誰も聴いてなんかくれなくて、「くそったれ」「お前らなんか」っていう気持ちでやっていて、でもある日、認めてくれる人ができて、聴いてくれる人が増えて、それはなんてうれしいことなのだろうと思って…と話していて、それは表現することの根本で、その原動力がぶれていないのが嬉しい。みんな自分の好きなことをやりたいけれど、認めてもらえなければ消えてしまう気持ちもある。求めてくれる人が増えることで消えてしまう気持ちもある。15年間に、彼らもたくさん葛藤したことを、それなりに知っているつもりだし、今改めて「あのときこうだったんだよ」と話しているふたりが見られたのは胸を突かれました。彼らには手を広げる強さと、戻るところを知っている強さがあるのだもの。
誕生日に、「贈る歌」と「もうすぐ30才」が聴けてうれしかった。好きでいることで、振りかえられる過去があることは幸せです。たくさんの「ありがとう」をありがとう。