「劇場版ポケットモンスター 君にきめた!」


私はポケモンのゲームをやっていたわけでもアニメをかかさず観てた人間でもないんですけど、劇場版だけはディスクになったらちゃんと観て、今もときどき借りて定期的に見ます。そしてピカチュウは本当にかわいいなあとしみじみします。
ポケモンも20周年のこの作品、サトシとピカチュウの出会いだなんて、そんなん、絶対良いものにきまってるやん??20周年記念に気合い入りまくりで素晴らしいやん…でも絶対爆泣きするだろうから映画館行けるかな…とずっと逡巡してたんですが、先週のサン&ムーン観てたら予告にはない映画の小出ししてて、やっぱり行く…と決めました。良かれと思って最後列予約したけど、小学生の男の子とパパの組み合わせ(のパパのほう)に挟まれて、序盤からハンカチ握りしめてえぐえぐしてるアラサーもギリアウトのおばちゃんはやばかったなあ(でもパパも泣いてた)。チビッコも、10代くらいの男の子のグループもたくさん居て、ポケモンはあらためてすごいなあと思いましたです。そしてピカチュウのかわいさは本当に、日本の宝だと思います。サトシだって初めてピカチュウを見たとき、「かわいい!」って言ってたんだよ、最高。
以下めちゃめちゃネタバレ。
予告で流れている、サトシとサトシに懐かないピカチュウオニスズメの大群に襲われたことで(だいぶ昔の劇場版でチラっとだけ話されているエピソード…)、ふたりに絆が生まれる…というのがなんと冒頭エピソードで、まさに「キミにきめた!」ところからあのオープニングテーマが流れるの、もう最高すぎました。「I choose you!」はサトシからピカチュウへのことばでもあるけど、ピカチュウからサトシへ発信したことばでもあるんだよ〜〜〜うわ〜ん。そこから旅が始まり、ふたりが本当のパートナーへなっていくことが映画の主題なんですが、大きな旅の目的はホウオウに会いに行くこと、そのまわりに、偶然出会った仲間が居て、信念を違えるライバルとなる相手が出来て、ゲットしたポケモンが進化して、その先に別れがあって、サトシも自分自身と葛藤して…と、敵や対決すべき大きななにかと戦うのではなく、主人公サトシの成長にフィーチャーさせたエピソードをちりばめたシナリオが本当に本当に良かったです…。ホウオウの研究者であるボンジーが中盤から出てくるのだけど、ボンジーの存在意義って、過去を守り若者に未来を託していく、文化の継承に絶対必要な人の役割なんですよね。未来ある若者を認め、手助けすること、それが大人の役割。誰かが成長していく物語には、こういう大人の存在が不可欠だというメッセージも、嬉しかったなあ。
去年から20周年が多すぎて、すぐ胸がいっぱいになってしまう。長くやってきたことを祝うということは、その長さを振り返るだけではなくて、その間にあった変化や新しいものの存在を認め、さらに「ここから先もまだ続いていくからね」と約束できる力がないとできないことなのだあとつくづく思うのです。それってすごいことなんだよ…。