「滝口炎上」@明治座

初日、座長滝口氏のお誕生日に行ってきました。たっきーが30歳になった瞬間は運転してたそうなんだけど、いちばんにおめでとうをくれたのは二瓶くんで、キスマークのチュッていうスタンプつき。「ちょっと気持ち悪いなと思いましたけど」(笑)。

途中からもうずっと、こりゃ滝口ファンの人は幸せだろうなーという気持ちてほこほこしていました。これ観た人はみんなたっきーのこと好きになっちゃうし、好きだったの人はもっと好きになっちゃうね。最近は、「ファンの人はうれしいだろうなあ」と思えたら私にとってはそれだけで十分価値のある興業になることが多いです。板の上に立てるようお膳立てしている人の思いが見えると嬉しいし、出てる人と観てる人もあわせて両思いならさらに嬉しいよねえ。
結果王道の時代劇にしたわけじゃなくて、こういう見せ物だからあえて王道のプロトタイプをなぞってるんですよという、ある意味ものすごく作り込まれた演出で、もう板垣さんの手腕にはしびれるしかないというか・・・!悪者をやっつける立ち回りで流れるあの音楽とか、もう日本人の魂を揺さぶるよね(笑)。私もドラマ時代劇大好きだったから、始まってからずーっとにこにこしながら観ちゃったし、そしてちょっとホロリときて、ほんと、明治座でこういうの観たかったの!というやつでした。その座長がたっきーだなんてわくわくしちゃうことこの上ない。常にお殿様然としている滝口氏のまあ美しいこと〜〜。大御所の方々は当然、みんな役が映えていて、そういうところも時代劇ぽい。家康おじいちゃん(幽霊)の前では孫らしくぶーたれてるのもかわいかった。あと安西くんの天草四郎はとても良かったわ〜彼はやっぱりすごい人だー。

パンフレットで板垣さんのインタビューが読めたのがいちばんの収穫でした。対談形式のインタビューってどうしても苦手で目がすべっちゃうので今回のはほんとありがたかったです。次回があるかもしれないけど、そしたらそれはたっきーでもいいけどじゃなくてもいいんじゃない?というはなし。今回のだって、滝口氏じゃなきゃできなかったわけじゃない、けど彼がこの演目の始まりに起用されたのはとても納得。始めては何事も特別で大事だから。


個人的にたっきーはちょうどいい距離感で観ていられる役者さんで、追っかけたりはしないけど観れたら嬉しいし、良いお仕事があればよかったねえと思うしそれが自分の好きな対象と共演であればさらにラッキーだし、いろいろあるだろうけど彼は大丈夫だろうと勝手に思っている、芸人でいえばハマカーン的ポジションです(なんだそれ)(実際ハマカーンと仲良しだしな)。推測だけど、るひまの舞台に行くようなお客さんには、彼に対してそんな距離感のお客さんがきっと大勢居るんだと思う。ふざけたタイトルで、明治座でるひまで、きっと滝口なら楽しいだろうとすんなり思わせる状況にあるからこそ早々にチケット完売だったのだろうし、それをたっきー本人が重々承知しているところが(それを言葉にして言うところも)、本当に彼らしいと思う。
ちょっと前のお誕生日のとき、お客さんや自分を応援してくれる人の人生をちょっと楽しいものにしてあげられるような人間になりたいと言ってた滝口氏は、本当に「わきまえた」人だなあと思うし、自分の存在を観てる人に託している、ある意味孤高にはなれない人。そこが魅力なんだろうねえ。


カーテンコールで大河内奈々子さんが、「皆さんが滝口くんを好きな理由が少しわかった気がします」とコメントしていて、思わず泣きそうになった。応援している人を見に行って、共演者からこんなコメントを聞けること、なかなかないんじゃないかな。