「イントゥ・ザ・ウッズ」

仕事が終わらないわけではないけどやることは何かとあってついだらだら残ってしまうこの時期、平日ライブもつい避けがちになってしまうので、予定がないからいけないのだと突発的にピカデリーをネット予約。水曜日だったし。
もうちょっと短くまとめられたような気がしないでもないけど、とっても楽しかったです。物語の登場人物たちが経験から何を感じ取るのかを掘り下げる視点がとても良かった。後半までのブラックユーモア満載感は、きっと映像ゆえのクドさなんだろうなあ。シンデレラの2番目のおねえさんが、普段着で超ミニスカートのドレスに網タイツとか履いててすごいかわいかった。その下品さでブラックさ出すのがとてもいいなあって。あと「舞踏会」って「Festival」なんだね。
ジャックとシンデレラは、崇高で荘厳な世界を見て、その中間がいいと思う。はるかな上を見て、自分のいる位置を身の程に合わせて高めようと悟る。これはすごく大切なこと。そして善でも悪でもないお人よしばかりなのが世間一般の人、魔女は「正しい人」、でも森の中では全能ではなく、いつも母親の呪縛にとらわれて、成長できないまま、彼女は森から出られなかった。彼女が自らそれを選んだときの最後の真夜中の歌、ほんとうに良かった…。人生は迷いと選択の連続で、それは森の中にいるようなもの。森の中で必要なのは、仲間がいることと自分で決めること。当たり前だけど言ってもらえたいメッセージがうれしくて、やっぱりこれぞミュージカルだなあと思いました。あと、一貫して描かれていた親子関係や結末の描写に、子どもというのは希望という世の宝なのだなあと思ったよ。
こういうちょっとひねくれたおとぎ話や童話のオマージュ作品*1って、やっぱり舞台芸術の醍醐味なんだなと思うよ。自分で閉じれる本とは違い、お金もかけて、特別な空間で感じ取る、少し大人向けなもの。