もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ・舞台「マルガリータ〜戦国の天使たち〜」@EX THEATER ROPPONGI

原作:村木嵐「マルガリータ」(第十七回松本清張賞受賞作 / 文春文庫 刊)
脚本・演出:堀江慶(CORNFLAKES)
企画:座間隆司
企画協力:文芸春秋
出演:細貝圭、鈴木拡樹、井深克彦染谷俊之、寿里、山崎樹範 ほか

戦国鍋TVの座間Pが企画で、「天正遣欧少年使節」で、このキャスト、なら、それなりに期待したっていいでしょと言いたくなるのは許していただきたいのですが…でも何かと期待しすぎるのはよくないとわかってるつもりだし、迷ってたんですけどしげさんの舞台仕事は観たいので行ってきました。

ある意味予想どおり、鍋TVっぽさは皆無でした。当たり前だけどまったく別の天正ズで、おそらく原作に忠実な物語として成立してるのでしょうけど、でもなんか、そういうのを含めてもうまく消化できない部分が多く、いまいち入り込みにくい舞台でした。
最後のお裁きのシーンは、ミゲルの気持ちがどこへ向いているのか伝わってこないまま、熱ばかりが盛り上がっていた印象。ミゲルの言い分もジュリアンの言い分も、珠の言い分も、それぞれわかんなくはないけど、おのおのの気持ちを理解する前にどんどん進んじゃって、心が離れてしまったよ…そして最後の秀吉さんの「見事だった!!」が、一体何を褒めたのか私はまったくわからなくて…。

ギャグパートが秀吉清正とねねにぶん投げだったのももやもやしたし、ああいうキャストでやると、しげさんはその役割になっちゃうの?っていうのがうれしくない気持ち。2幕での3人の登場は、正直空気読めてない感じが否めなくて蛇足としか思えなかった。ギャグパートになると他キャストが居ないもの扱いになる演出も、ぶん投げ感全開で楽しくなかったなあ…。あのお城での会議のシーン、本当にEテレとかの歴史番組の再現VTRっぽさがすごかった…。そんなの舞台上で見せる必要あるの?

人の人生が悲劇になるには、周りに居た人の想いとか、心を寄せる様とか、そういうのがベースになってこそ成り立つのに。教科書みたいな内容で、確かに「歴史をもっと知りたくなる」には違わなかったかもしれないけど、それを劇場で観たいかっていうと私は求めないなあと思いました。救いのない終わり方なのに、最後に大堀さんのナレーションでジュリアンの死に様(とても残酷な拷問)を説明する意味も全然分かんなかった!最後までつらくなったわ!