K-PROコジマさんトークライブ行ってきた


金曜日の夜にオールナイト。胸がいっぱいになったまま旅行に行ってしまって、そのあいだも何度も何度も思い返したコジマさんのお話。ほんとに貴重で素晴らしいライブでした。私はやっぱりものを作る人の話を聞くのが大好きだなあ。鍋テレビスタッフ座談会のときも思ったけど、ああいうエンタメを作る人があえてお客さんの前で話すとき、その内容が赤裸々かどうかはわりとどうでもよくて、どんなふうにお客さんの前に出てきてどんな言葉を選び話すのか、そういうのを自分の目で見て、その人の人となりに触れることが好きなんだと思う。
K-PROさんのことは信頼してるしご贔屓にしているので、そのぶんコジマさん個人に触れるのはいろんな意味でちょっと怖かった気持ちもあったんだけど、つねに誠実な姿勢で話すコジマさんは本当に素敵で、もっともっとご本人の言葉をたくさん聞きたいと思いました。前に出たがる人ではないし、やっぱりロフトがゴリ推ししたのかしら。オープニングトークで、満員の客席に「この地味な女金になるなってロフトが味を占めちゃう」とスパローズに指摘されるし、まったくだよ(笑)。



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まあ全編通して、とにかくコジマさんは芸人さんにもお客さんにも礼儀正しい姿勢が徹底していてすごかった。誰がわちゃわちゃしようがふざけようが絶対否定しない、乗っかり方も上手、話を聞くときも相手に向かってうんうんと強く肯く様子にすら胸打たれるわたし…。楽しそうにやらかすスパローズのかわいらしいことと言ったら。もう見ているだけでそこにある関係の良さが伝わってくるよ。そしてコジマさんはずーっといつものショルダーバッグをかけたまま。

振り返りのなかで、コジマさんが何度も何度も「くやしい」とか「うれしい」というご自身の正直でシンプルな思いをたくさん話していたのが印象的でした。そんなストレートで純粋な感情を芯にして、コジマさんのライブ愛はできているのだなあと思うとなんだか涙が出そうになった。単純な気持ちの原動力は力強いけど、なかなか持続できるものじゃないでしょうに。それでいて芸人やお笑いに対するシビアさとか、馴れ合いを嫌う姿勢とか、世の中を見る客観性とかもちゃんと兼ね揃えていて、これがすべてライブ愛という信念の成せる業かと思うと、もう尊敬を通りこして畏怖の念が湧いてしまうよ。


コジマさんが最終的に目指すところは何かという質問に、言葉を選びながら「わたしが偉い人やお金持ってる人によく言うのは、芸人さんがネタで生活ができるようになってほしいってこと」とおっしゃっていて、もうまさに、自分と同じ思いを持っている人が作ってるライブが楽しくないわけないんだわって、また涙が出そうになった。それが実現するのかは分からないし、私には多分どうすることもできないんだけど、でもコジマさんならなんとかできるような気がする、あの時間はそんな温かい可能性にあふれている気がしました。高倉氏が最終的に「こんだけいい人だと逆に怖い」「もう宗教みたい!」と言っていたけど、世の中で成立した純粋な宗教はきっとああいう人によって出来上がるのだろうなと実感したよ(笑)。そりゃ悪い大人も寄ってくるわ…。
立ち上げ当初、大赤字を出したライブで「憧れの芸人さんに恥ずかしい舞台に立たせてしまって…」と恥じ入った気持ちを話すコジマさんに、高倉氏が「背負いすぎだよ…」ととても優しい口調でこぼしていたことと、「立ち上げたときから、お客さんにお金をいただいて、芸人さんに返すっていうのが(指で三角形を作っていた)、絶対だーって決めてたので」とおっしゃったコジマさんに、終始にこにこ優しい視線を向けながらコジマさんの話を聞いていたダブル黒田氏が、目を丸くして「いい子だね〜」と頭をなでなでしていたのが、本当に微笑ましくてたまらなかった。人同士の支持や人徳にはいろんな形があるだろうけども、そこにあるのはお客として見ていてしあわせだなーと思う演者と裏方の関係でした。


K-PROさんが作るライブが楽しいことはもちろん、これからもずっと好きな人たちを応援しようという気持ちになれる。たくさんの東京劇場芸人さんのそばに、コジマさんがいてくれて本当に良かったと思います。