ファンタジウム7

ファンタジウム(7) (モーニング KC)

ファンタジウム(7) (モーニング KC)

良くんが心から満たされたり自分が価値のあるものだと感じられるのは、いつになるなのだろう、そんな時間はやってくるのだろうかと、ずっとこの作品を読んでいて不安だったのだけど、今回はそれが少し光を帯びたものに変わったような、そういう巻でした。
良くんは、人を好きになったり(面白がったり)信頼することはあるけれど、彼らを「理解しよう」とはしていない感じ。それはできないことだと分かっていて、そうした重すぎる孤独のなかに生きている良くんがひどく寂しい。でも、「やってもいいかな」って思えるようになっているのかも。そうだとしたら嬉しい。生きる術であり糧であり業でもあるマジックだけは、純粋に守りたい良くんがいとおしいよ。それが良くんにとって、孤独を隠すものではなく、人とつながっていける普通の幸せをもたらすものでありますように。