ばんば憑き/宮部みゆき
- 作者: 宮部 みゆき
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
「博打眼」が、とても気味悪くおどろおどろしいものなのだけれど、犬張り子で退治するというのがなんともかわいらしくて、全体的に「クレヨン王国」のようだなあと(シルバー王妃新・十二ヶ月の旅のなかに、たくさんの犬張り子が出てくる月がある)わくわくしながら読み進めてしまいました。竹兄の過去は気になりますが、お美代ちゃんというおしゃまでかわいい女の子の目線だったことも、心温まる雰囲気に終始していました。怖いものは、「むつかしくて、わかんない」。
表題作は心苦しい話でした。左一郎が心変わりしてしまったように見えるけれど、きっとそうやっていろんなことを天秤にかけて、傾いているほうに寄りながら人間はずっと生きていくのだな。