いのちのパレード/恩田陸

いのちのパレード

いのちのパレード

恩田さんの自由な短編集は、色とりどりのお菓子の詰め合わせという感じ。いろんな種類があって、見た目もキラキラで、食べてる間は甘くておいしいけれど、すぐ無くなっちゃって余韻も少ないし、身体にも別にいいわけじゃない。残り少なくなるとさびしくなる。結末も、タネも、理由も分からない物語ばかりだけれど、めくるめく想像力を刺激する文章に存分楽しませてもらいました。「SUGOROKU」「当籤者」「観光旅行」あたりが好きかなあ。踊るような言葉選びと、そこに浮遊する「永遠の少女っぽさ」がたまらないんだなー。
「朝日のようにさわやかに」も読んだんだけど、そっちよりも文字のパワーが強い印象がありました。こっちはもうちょっと映像が見えやすい。
朝日のようにさわやかに (新潮文庫)

朝日のようにさわやかに (新潮文庫)