日暮らし/宮部みゆき

日暮らし(上) (講談社文庫)日暮らし(中) (講談社文庫)日暮らし(下) (講談社文庫)
最近「ぼんくら」を数年ぶりに再読し、てっきり自分のなかでは「日暮らし」も読んだつもりでいたら読んでなかったよという。10月中に読了できて良かった…。「ぼんくら」が少し渋い後味だったのに対し、キャラクター全員登場で大団円、という感じでほっこりしました。人殺しだとか苦々しい出来事がありつつも、温かなユーモアと人物への愛が溢れてていいなあと思います。弓ノ助ちゃんの美しさはもう想像できない…。
いろいろな事件の影にひっそりと浮き彫りになっていたのは、「後ろめたさ」や「罪悪感」を持つ人のあがき様なのかなと思いました。みんな、相手を思うつもりで実は自分が一番可愛がろうとしている、そんなやるせない切なさがあり、それをまあ気持ちよくばっさり切ってくれる平四郎の旦那が素敵ですね。