「エスター」
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: DVD
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微妙にネタバレ含むのでたたみます。
後半までは、「9歳の子どもがそんなことを」という恐ろしさ。それだけならば、エスターはただの怖い子どもで、腑に落ちないままだったでしょうが、エスターの凶行と「子どもらしくなさ」にはちゃんと理由があったとは!はあ〜その発想はなかったよ。女性として生きることもできず、そりゃ鬱屈するよねえ。エスターの起こす事件がどんどんエスカレートするにつれ、ずいぶん突発的で短絡的になってるなあ(=やっぱり子どもだから?)と思ってたんだけど、父親という目的に固執するあまりだったのならば納得もしました。ということは、ゴシックファッションもそういう理由だからなのか?
そもそもすでに2人子どもが居るのに養子を孤児院から引き取る夫妻に疑問。孤児院でもまるでペットを選ぶかのようだったし…。ただ、ケイトはもともとアルコール依存で、心も病みやすく、結局夫のことを心から愛してるかというとそうじゃない(最初にケイトが見てる悪夢でもそう)、というのがどんどん暴かれていくので、そのコールマン家全体の「弱さ」にエスターは付けこんだのかなあと思いました。父親ジョンのあまりの鈍さというか、魅力的なエスターに騙されてる感がほんとにイライラしました。そのイライラを惹起する描写もとても秀逸で、かわいこぶってるエスターにコロリと騙されてくジョン、よく観たら初対面からそんな感じやんという…。ケイトもエスターも、女性ならではの2面性を持っていて、それが対決する構図になるのも怖かったです。
子役たちがみんな素晴らしかったです。エスター@イザベル・ファーマンは本当にすごかったし、ダニエルもマックスも演技が映えていて、彼らの巧さや上手な使い方がなければこんなに面白くなかったと思います。マックスは本当に聴覚障害を持ってるそうで。