きりこについて/西加奈子

きりこについて

きりこについて

関西弁であることが、物語のどろどろしてるところを濾過していた感じ。なんか笑ってしまう。声のいい俳優さんに朗読してもらいたいようなリズムでした。ちせちゃんがすごくかっこよかった。年齢を重ねて自分のことを見つめられるようになったところも魅力的で、きっと幸せになったんだろうなあ。きりこの「気づき」の描写は、なんだか哲学的な空気があって、あんまり私には響かなかったのだけど、なんとなく言いたいことはわかったような。
帯に「猫を愛するすべての人へ」とありますが、あんまりそういうことは関係ない感じも。ただ猫好きならそうそう!とにやにやしそうな描写は多いです。猫はかわいいなんて言われても喜んでいないのだ。表紙カバーをめくると描いてある猫のイラストが素朴でかわいいです。